ODAWARA ART FOUNDATION

大友良英「MUSICS あるいは複数の音楽たち その2」 公演

開催日時:2024年12月8日(日)13:30~16:30
会場:小田原文化財団 江之浦測候所

お知らせ

イントロダクション

“即興”をキーワードに観客を巻き込みながらサイトスペシフィックな「音楽」を創り上げていく『MUSICS あるいは複数の音楽たち』のプロセスは、「ステージと客席」という既存の関係性を覆していきます。江之浦測候所の中を自由に散策する途上で〝アンサンブルズ〟に自然遭遇し、いつしか音楽・時間・空間と一体化していくパフォーマンスを是非お楽しみください。

概要

タイトル: 大友良英「MUSICS あるいは複数の音楽たち その2」
開催日時: 2024年12月8日(日)13:30~16:30
会場: 小田原文化財団 江之浦測候所
チケット: 8,800円(江之浦測候所入館料含む)
主催:公益財団法人小田原文化財団

出演アーティスト:  
アンサンブルメンバー 大友良英(percussion, objects)、江川良子(sax)、木村仁哉(tuba)、Sachiko M(objects)、シェリル・オン(percussion)、首藤康之(dance)、巻上公一(voice)、松丸契(sax)、ミカド香奈子(fue, narimono)、本藤美咲(sax)、山崎阿弥(voice)

チケット発売日: 10月11日(金)10:00より発売 ※先着申込制
申込み方法: 小田原文化財団公式ホームページ見学予約ページより購入


Photo: Peter_Gannushkin

大友良英/Otomo Yoshihide 
音楽家
1959年横浜生れ。十代を福島市で過ごす。常に同時進行かつインディペンデントに即興演奏やノイズ的な作品からポップスに至るまで多種多様な音楽をつくり続け、その活動範囲は世界中におよぶ。映画音楽家としても数多くの映像作品の音楽を手がけ、その数は100作品を超える。
2008年、YCAMでの展示を切っ掛けに「アンサンブルズ」の名のもとさまざまな人たちとのコラボレーションを軸に展示する音楽作品や特殊形態のコンサートを手がけると同時に、障害のある子どもたちとの音楽ワークショップや一般参加型のプロジェクトにも力をいれ、2011年の東日本大震災を受け福島で様々な領域で活動をする人々とともにプロジェクトFUKUSHIMA!を立ち上げるなど、音楽におさまらない活動でも注目される。
2012年、プロジェクトFUKUSHIMA ! の活動で芸術選奨文部科学大臣賞芸術振興部門を受賞。2013年には「あまちゃん」の音楽他、多岐にわたる活動で東京ドラマアウォード特別賞、レコード大賞作曲賞他、数多くの賞を受賞している。
2014年よりアンサンブルズ・アジアのディレクターとしてアジア各国の音楽家のネットワークづくりに奔走。2017年札幌国際芸術祭の芸術監督。2019年NHK大河ドラマ「いだてん」の音楽を担当。また福島市を代表する夏祭り「わらじまつり」改革のディレクターも務めた


江川良子/Ryoko Egawa (sax)
東京藝術大学卒業、同大学院修了。2003年ノナカ・サクソフォーン・コンクール第2位。ソロ、室内楽やオーケストラ、吹奏楽での活動の他、『清水靖晃&サキソフォネッツ』『Saxophone Quartet athena』『大友良英スペシャルビッグバンド』等様々なアンサンブルのメンバーとして、日本国内のみならずロシア、キューバ、インドネシア、香港、中国など海外でのコンサートや音楽祭への出演、CMやサウンドトラック、CDアルバムなどのレコーディングにも意欲的に参加。また、ピアノやハープ、箏やアコーディオンなど様々な楽器とのデュオリサイタルを企画・プロデュースし、アレンジや委嘱作品を含めたサクソフォーンの新しいレパートリーの開拓にも力を注いでいる。洗足学園音楽大学講師。


木村仁哉/Jinya Kimura (tuba)
東京藝術大学卒業。稲川榮一氏に師事。大学在学中より本田祐也率いる「チャンチキトルネエド」(2013年活動休止)のメンバーとして活動する。大友良英「あまちゃんスペシャルビックバンド」としてNHK紅白歌合戦に出場。星野源、RADWIMPSなどのアーティストや、映画、TVドラマなど多くのレコーディングに参加している。大河ドラマ「いだてん」ではテーマ曲などの演奏に加え、楽師役として出演もした。大熊ワタル「ジンタらムータ」、向井志門「SDブラスホンカーズ」のレギュラーメンバーとしても活動している。


Sachiko M (objects)
sinewaves、即興演奏家、作曲家
テスト用の信号音(サインウェーブ)を使った電子楽器を演奏し世界的に活躍する即興音楽家。2003年アルスエレクトロニカ・ゴールデンニカ賞受賞。サウンドインスタレーション作品発表、写真集出版など活動が多岐にわたる中、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」劇中歌の作曲に参加。大友良英と共に手がけた「潮騒のメモリー」で第55回日本レコード大賞作曲賞受賞。以降、作曲、作詞、サウンドプロジェクト・ディレクターなどでも活動。2022年にはヨーロッパ演奏ツアーを再始動させる。インスタレーションのサウンドソースや新作を不定期に配信にてリリース中。2024年に2つのソロアルバムを発売。


シェリル・オン/Cheryl Ong(percussion)
シンガポール出身のパーカッショニスト。さまざまな演奏活動と音楽教育の両方で活躍している。アヴァンギャルドなロックグループ、The Observatoryのメンバー。 もともとはクラシックや中国の古典音楽の訓練を受けてきたが、技術者として使われることを嫌い、近年は即興演奏や実験的な演奏に取り組み、新しいアイデアやサウンドを追い求める活動をしている。The Observatory での活動以外では、RATA Orkestra(2022年、シンガポール)との共演による「RATA: new grounds, new sounds」、Guro (Dyna) Moe Revolution Sextetとの共演による「All Ears Festival」(2020年、ノルウェー)、Vivian Wangとのデュオによる「AngelicA Festival」(2019年、ボローニャ)、「Kombo、CTM Festival」(2019年、ベルリン)などに出演。彼女のソロ作曲「Hejira」は、シンガポールのヨー・シウ・ホアが監督し、ロカルノ国際映画祭でグランプリ金豹賞を受賞した「A Land Imagined」のエンディング・クレジットで使用されている。


©KAZUMI KURIGAMI

首藤康之/Yasuyuki Shuto (dance)
1971年大分市生まれ。1986年東京バレエ団に入団。1989年『眠れる森の美女』で主役デビュー以降、古典作品ほか、現代振付家作品など、東京バレエ団ほぼ全てのレパートリーに主演。2004年同団を退団。フリーランスとなってからはマシュー・ボーンやシディ・ラルビ・シェルカウイ、新国立劇場バレエ団など国内外の振付家やカンパニーと精力的に活動。2000年にジョン・デリンジャー演出『ニジンスキー』でストレートプレイに初挑戦してからは、ジョー・カラルコ、マックス・ウェブスター、ウィル・タケット、小野寺修二、串田和美、白井晃、長塚圭史などの演出家の舞台に出演。第42回舞踊批評家協会賞受賞、第62回芸術選奨文部科学大臣賞受賞。


巻上公⼀/Koichi Makigami (voice)
音楽家、詩人、プロデューサー
1978年結成のヒカシューのリーダーとして作詞作曲はもちろん、声の音響やテルミン、口琴を使ったソロワークやコラボレーションを精力的に行っている。トゥバ共和国の喉歌ホーメイは日本の第一人者として知られ、サウンドポエットによる演劇「チャクルパ」シリーズやJAZZ ART せんがわ、熱海未来音楽祭など多彩なプロデュースをしている。音楽アルバムはソロ、ヒカシュー含め多数。詩集『至高の妄想』で第一回大岡信賞を受賞。最新アルバム ヒカシュー『雲をあやつる』(2023年)。2024年、権威あるニューヨークの非営利団体 Foundation for Contemporary Arts のアーティスト賞を受賞。


Photo: 鈴木親

松丸契/Kei Matsumaru (sax)
サックス奏者・作曲家
1995年生まれ。パプアニューギニア出身。米音大卒業後、2018年より東京を拠点に活動中。石若駿、石橋英子、ジム・オルーク、山本達久、大友良英、岡田拓郎、Dos Monos、betcover!!、浦上想起など様々なアーティストと演奏する一方、自身の制作やライブ活動も精力的に行っている。90分のアコースティックなソロ演奏を通して空間・時間・楽器・身体の相互性を探る「独奏」やエレクトロニクスを使用したソロセットも頻繁に行っている。2022年『The Moon, Its Recollections Abstracted』をリリース。映画『白鍵と黒鍵の間に』(2023年)に役者として出演。


ミカド香奈子/Kanako Mikado (fue, narimono)
邦楽演奏家、横笛(篠笛・能管)奏者、お座敷唄三味線弾き唄い
横浜市出身、台東区在住。日本で初めて日本民謡を五線譜に表した『日本民謡全集 前編・後編』を世に出した 初代ミカド天風を祖父に、民謡・端唄唄い手の二代目ミカド天風を母にもち、幼少の頃から日本音楽に親しむ。2023年に三代目ミカド天風を襲名。宮本卯之助商店 邦楽教室の民謡端唄講師。(公財)日本民謡協会において、2015年に女性初の笛師範教授となる。2013年出雲大社「平成の大遷宮」において横笛で奉納演奏。数々の神社でも演奏する東日本震災後に大友良英氏らにより立ち上げられた「プロジェクトFUKUSHIMA!」のイベントに2015年より参加。マダムギター長見順率いる「池袋盆BAND」では盆踊りの伴奏でライブをし、篠笛、唄を担当。民謡クルセイダーズのボーカル、フレディ塚本との4人組「民謡ユニットこでらんに〜」では、ライブイベントを定期的に主催。数々の盆踊り、イベント、2023年のフジロックフェスティバルに出演。お祭りロックバンドの「アラゲホンジ」の笛方。ドラム、ベース、三味線弾き唄いの3ピースバンド「藍海松茶(あいみるちゃ)」など、洋楽器とのバンドやジャンルを超えたバンドサポートにも積極的。自身のソロライブ「若竹さんぽ」では、お座敷唄を三味線弾き唄いする一方、古典の邦楽囃子笛方として望月太喜若の名で、国立劇場をはじめ様々な舞台、国内外の公演に出演。(一社)長唄協会会員。浅草芸者衆でもあり、わか奈の名でお座敷、そして催しなどで地方(じかた。踊りの伴奏者)をつとめる。演奏する場により芸名を名乗り分け、古き良きものを大切にしながらの活動は多岐に渡る。


本藤美咲/Misaki Motofuji (sax)
音楽家
1992年生まれ。即興演奏と作編曲の二極を基盤とし、多様な分野のアーティストと共演・共同制作を行い日々触手を伸ばす。主宰バンド『galajapolymo』を2018年に結成。『Tokyo sound-painting』『OTOMO YOSHIHIDE Small Stone Ensemble』『渋さ知らズオーケストラ』ほか参加プロジェクト多数。 2021年よりパフォーミングアーツコレクティブ『バストリオ』のクリエーション・上演作品に参加。 2022年に1st solo album「Yagateyamu」をhitorriレーベルよりリリース。 2018年より渋谷区大和田レインボウ・プロジェクト講師を務める。 ライヴパフォーマンスを主な活動とするほか、映像メディアのための音源制作・作編曲提供・音源作品への演奏参加・イベントの企画運営なども行っている。


山崎阿弥/Ami Yamasaki (voice)
声のアーティスト、美術家
自らの発声とその響きを耳・声帯・皮膚で感受し、エコロケーション(反響定位)に近い方法を用いて空間を認識する。空間が持つ音響的な陰影をパフォーマンスやインスタレーションによって変容させることを試みながら、世界がどのように生成されているのかを問い続けている。科学者とのコラボレーションに力を入れ、天文学者、素粒子物理学者との対話から知覚特性と世界像の関係を探りつつ新しい声と未来のサウンドスケープづくりに取り組む。Asian Cultural Council フェロー(2017)、国際交流基金アジアセンターフェロー(2018)、瀬戸内国際芸術祭(2019)、G&A Mamidakis Foundation Art Prize受賞(2023)。近年は、「語りの複数性」(東京都渋谷公園通りギャラリー、2021)、「YPAM 横浜国際舞台芸術ミーティング」(BankART KAIKO、2021)、クリスチャン・マークレー「トランスレーティング」での「マンガ・スクロール」歌唱(江之浦測候所、東京都現代美術館, 2021/2022)、Hirshhorn Museum and Sculpture Garden起工式での歌唱(2022)、「KYOTO STEAM 2022国際アートコンペティション」(京都市京セラ美術館、2022)、「JAPAN.BODY_PERFORM_LIVE」(ミラノ現代美術館、イタリア、2022)、「Engawa A Season of Contemporary Art from Japan」(Centro de Arte Moderna Gulbenkian、2023)、国立天文台三鷹移転100周年記念『100年の宇宙 見つめる眼・歌う声』(2024)、神奈川県民ホール開館50周年記念オペラシリーズVol.2サルヴァトーレ・シャリーノ作曲『ローエングリン』演出・美術(2024)など。