ODAWARA ART FOUNDATION

クリスチャン・マークレー《Found in Odawara》 公演 終了

開催日時:2021年11月27日(土)13:30~16:30
     2021年11月28日(日)13:30~16:30
会場:  小田原文化財団 江之浦測候所

お知らせ

イントロダクション

小田原文化財団 江之浦測候所では2019年からスタートした現代アートプロジェクト第2弾として、このたびクリスチャン・マークレーを招聘し、サウンド・パフォーマンス《Found in Odawara》を開催いたします。
70年代末にターンテーブルとレコードを楽器として用いて音楽を創り出すターンテーブル奏者の先駆者として注目を浴びたクリスチャン・マークレーは90年代以降、音をはじめ様々な素材をコラージュするコンセプチュアルな作品を発表してきました。近年では、身近なものが生み出す音を用いたプロジェクトをヴェニス(イタリア)やハダースフィールド(イギリス)で開催。《Found in Odawara》では、現代美術作家・杉本博司が設立した小田原文化財団 江之浦測候所を舞台に、5人の音楽家、パフォーマーとともに2日限りの即興音楽を創り出します。

概要

タイトル: 「クリスチャン・マークレー 《Found in Odawara》」
開催日時: 2021年11月27日(土)13:30~16:30
      2021年11月28日(日)13:30~16:30
会場: 小田原文化財団 江之浦測候所
チケット: 3,300円(江之浦測候所入館料含む)
主催:公益財団法人小田原文化財団

    
    令和3年度文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業

出演者: クリスチャン・マークレー、大友良英、巻上公一、鈴木昭男、山川冬樹、山﨑阿弥

チケット発売日: 10月29日(金)10:00より発売予定 ※先着申込制
申込み方法: 小田原文化財団公式ホームページ見学予約ページより購入


Photo by The Daily Eye

<クリスチャン・マークレー>
アーティスト/ミュージシャン 1955年生まれ。1979年にレコードとターンテーブルを用いたパフォーマンスを開始。これはターンテーブルを楽器として用いた最も早い例の一つとなる。80年代からは、レコード盤や、電話、楽器、磁気テープなど、音に関連する事物を素材とした造形作品や映像作品の制作を行う。その作品は、音および音に対する我々の反応を、歴史や文化のコンテクストとともに取り上げ、「いまだ聴かれたことのない音の記憶」として我々のもとへ差し戻す。代表的な録音作品に、レコードをジャケットなしで流通させ、その過程で盤面についた傷による音をも作品に取り込む「Record without a Cover」(1985)、オペラ、ロックからジョン・ケージまで様々なレコードを貼りあわせてプレーした「More Encores」(1989)などがある。ジョン・ゾーン、リー・ラナルド/サーストン・ムーア(ソニック・ユース)、大友良英ら多様なアーティストともコラボレーションを重ねている。1995年のヴェネチア・ビエンナーレなどをきっかけとして、現在、国際的にも最も注目されるアーティストの一人であり、アートとサウンドの領域を横断する活動を続けている。


大友良英/Otomo Yoshihide 音楽家
1959生まれ。映画やテレビの音楽を山のように作りつつ、ノイズや即興の現場がホームの音楽家。ギタリスト、ターンテーブル奏者。活動は日本のみならず欧米、アジアと多方面にわたる。美術と音楽の中間領域のような展示作品や一般参加のプロジェクトやプロデュースワークも多数。震災後は故郷の福島でプロジェクトFUKUSHIMA!を立ち上げ、現在に至るまで様々な活動を継続中。2013年「あまちゃん」の音楽でレコード大賞作曲賞を受賞。2014年よりアンサンブルズ・アジアのディレクターとしてアジア各国の音楽家のネットワークづくりに奔走。2017年札幌国際芸術祭の芸術監督。2019年NHK大河ドラマ「いだてん」の音楽を担当。また福島を代表する夏祭り「わらじまつり」改革のディレクターも務めた。


巻上公一/Koichi Makigami 音楽家、詩人、プロデューサー
デビュー41年を迎えたヒカシューのリーダーをつとめながら、ニューヨークからモスクワ、オセアニアまでを飛び回る世界的なアーティストである。民族音楽にも精通しており、ユダヤ音楽のクレズマーをイディッシュ語で歌い、巧みに口琴を操り、2017年トゥバ共和国国際ホーメイコンテストでは優勝も果した。日本トゥバホーメイ協会会長を20年以上務める。プロデューサーとして、Jazz Art せんがわをはじめ、ジョン・ゾーンズ・コブラ、湯河原現代音楽フェスティバル、熱海未来音楽祭など多数。作詩作曲はもちろん、テルミン、コルネット、尺八からエレクトロニクスなど多くの楽器を演奏し、コラボレーションも精力的に行っている。歌らしい歌から歌にもならないものまで歌う歌唱力には定評があり、それらの音楽要素を駆使する演劇パフォーマンスのクリエーターとしても活躍している。


Courtesy of Beethoven Foundation for Art and Culture Bonn / Photo by Meike Boeschemeyer

鈴木昭男/Akio Suzuki サウンドパフォーマー
1941年生まれ‘60年代、「自修イベント」を創始、「エコーポイントを探る」「小川を訪ねる」など。エコーインスツルメントANALAPOS 創作音器によるインスタレーション個展を南画廊・東京で開催(1976)以降、コンセプチャル・サウンドワークを展開し、仏フェスティバル・ドートンヌ・パリ「間」展、ドクメンタ・8 カッセル BRD(1987)に出場。1988年にはサウンド・プロジェクト〈一日の自然に耳を澄ます〉「日向ぼっこの空間 “Space in the Sun.”」を、京都府の子午線最北の丹後の山中に築いた日干しブロックによる壁空間で遂行。1994年以降、サウンド・インスタレーションを手がけ、「make up」三条白川・京都(1995)、「ha na」ザールブリュッケン市立美術館 BRD(1997)、「pyramid」オークランド NZ (1999)などで発表した〈巷に耳を澄ます〉「点 音“o to da te”」は現在も継続している。「いざないの空間 “i za na i”」ストラスプール・ライン河公園 BRD(2004)、「須弥への韻律」豊田市美術館(2006)、最近では、「no zo mi」東京都現代美術館(2019)、「観測点星」中津万象園・丸亀(2019)の「点 音」バリエーションがある。即興演奏家として他ジャンルのアーティストとのコラボレーションも行なってきた。


山川冬樹/Fuyuki Yamakawa 現代美術家、ホーメイ歌手、遠吠主義者
1973年ロンドン生まれ。視覚、聴覚、皮膚感覚に訴えかける表現で、現代美術、音楽、舞台芸術の境界を超えて活動。己の身体を振動や光に拡張するパフォーマンスで、ヴェネツィア・ビエンナーレ(ダンスフェスティバル/2006年、2007年)をはじめとするアート・フェスティバル、フジロック・フェスティバル(2003年、2006年)などの音楽フェスティバル、国内外のノイズ/即興音楽シーンなど、ジャンルを横断しながらこれまでに16カ国でパフォーマンスを行う。また一人で同時に二つの声で歌うと言われる、南シベリアの伝統歌唱ホーメイを得意とし、2003年ロシア連邦トゥバ共和国で開催された「ユネスコ主催 第4回国際ホーメイフェスティバル」では「アヴァンギャルド賞」を受賞。現代美術の分野では、個と公をめぐる声の記憶を扱ったインスタレーション『The Voice-over』(1997〜2008/東京都現代美術館蔵)、「パ」という音節の所有権を、一人のアートコレクターに100万円で販売することで成立するパフォーマンス『「パ」日誌メント』(2011~現在)などを発表。ハンセン病療養所でのフィールドワークを継続的に展開しており、大島青松園ではインスタレーションを発表、常設展示となっている。


山崎阿弥/Ami Yamasaki 声のアーティスト、美術家
自らの発声とその響きを耳・声帯・皮膚で感受し、エコロケーション(反響定位)に近い方法を用いて空間を認識する。空間が持つ音響的な陰影をパフォーマンスやインスタレーションによって変容
させることを試みながら、世界がどのように生成されているのかを問い続けている。量子力学に関心を持ち、科学者とのコラボレーションに力を入れている。近年はAsian Cultural Council フェロー(アメリカ、2017)、国際交   流基金アジアセンターフェロー(フィリピン、2018)、瀬戸内国際芸術祭(2019)など。2021年は「語りの複数形」(東京都渋谷公園通りギャラリー)、2022年は「KYOTO STEAM 2022国際アートコンペティション」(京都市京セラ美術館)、「JAPAN. BODY_PERFORM_LIVE Resistance and resilience in Japanese contemporary art」(ミラノ現代美術館、イタリア)に出品・出演予定。