ODAWARA ART FOUNDATION

2013年05月16日

『杉本文楽 曾根崎心中付り観音廻り』2013年ヨーロッパ公演 事業

このたび、国際交流基金と小田原文化財団は、2013年9月〜10月の1カ月間にわたり、人形浄瑠璃文楽「杉本文楽 曾根崎心中付り観音廻り」の欧州公演を実施いたします。 同作品は2011年8月に神奈川芸術劇場において初演され、好評を博したのは記憶に新しいところです。構成・演出・美術・映像は現代美術作家の杉本博司、作曲は人間国宝の鶴澤清治が手がけ、現在の文楽公演では演出の都合により一部が割愛され上演されている「曾根崎心中」を原文に忠実なまま舞台化し、多くの観客から熱い賞賛の声が寄せられました。そして2013年秋、いよいよヨーロッパでの公演が実現します。

今回のヨーロッパ公演は、「日本スペイン交流400周年」の記念事業としてマドリードで幕を開けます。 慶長遣欧使節が渡欧して日本とスペイン両国間のさまざまな交流がはじまってから400年となる記念の年に、マドリードのエスパニョール劇場で上演されます。 マドリードでの公演につづいて、海外初の日本文化会館として1962年に開館したローマ日本文化会館の開館50周年記念事業として公演を行います。会場は、ローマで最も格式の高い劇場のひとつであり、ロッシーニのオペラ「セビリアの理髪師」の初演の場所として世界的に知られるアルジェンティーナ劇場です。そして最後に、世界的にも著名な舞台芸術の祭典であるパリのフェスティバル・ドートンヌの目玉公演のひとつとして、パリ市立劇場にて11公演を行います。

国際交流基金はこれまで、東京の本部と京都支部、ふたつの附属機関(日本語国際センター、関西国際センター)、および海外21カ国に開設された22の海外拠点をベースに、外部機関とも連携しつつ世界の全地域において国際文化交流事業を実施してきました。長年つちかってきたこれらのネットワークを活かして、ヨーロッパの芸術文化の中心といえるこれら3つの都市の歴史と格式を誇る劇場において、創造的で優れた日本の舞台芸術を多くの人に見ていただくことができることを嬉しく存じます。

2011年公演情報についてはこちらのページをご覧ください