ODAWARA ART FOUNDATION

2015年10月06日

「義太夫の名曲 卅三間堂棟由来の由来」 杉本博司より 事業

「三茶三味~三味線音楽を聴く~」公演第三部「卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)」

に寄せた杉本博司のことば:

義太夫の名曲 卅三間堂棟由来の由来」   杉本博司

このお話は驚きの連続展開です。柳の精が人間の男に恋をして夫婦になる、かわいい緑丸も生まれる。すると由あって柳の木が切られることになり、柳の精お柳も死んでしまう。その由来とは、都の白河法皇には頭痛の病があり、前世の髑髏に柳の木が絡んでいるというお告げにより、柳の木を切って三十三間堂の棟にすることになったからです。切られた柳に泣きすがる緑丸、すると引いても動かなかった柳が動きだす。

荒唐無稽な話ですが、夫婦愛、親子の情、そして一木一草にも霊が宿るという、日本人の魂の琴線に触れる名曲として語り継がれてきました。ここに新発見の長谷川等伯筆、四季柳図屏風を金屏風とした背景で、人間国宝、鶴澤清治の至芸をお楽しみ下さい。さらにおまけに、杉本撮影未公開作品、三十三間堂中尊も映像として舞台上に顕現いたします。